◆重量挙げ関西選抜大会(31日・関大)関大の両雄が77キロ級で激突し、全日本ジュニア王者の白草竜太(2
年・大産大付)が全日本代表候補(69キロ級)の武市樹(4年・大産大付)を大会新記録で破り、V2を果たした。調整のため階級を上げて出場した武市も、
ジャークで自己ベストの157キロを挙げた。2012年ロンドン五輪を目指す“幼なじみコンビ”が、大目標の全日本選手権(7月3日・埼玉)へ好発進を決
めた。
◆ジャークで159キロ ロンドン五輪もちろん狙う
胸までバーを引き上げた白草は、一呼吸おいた後、両腕を一気に頭上へ掲げた。ジャーク159キロは、自身が持つ大会記録を2キロ更新。163キロ
の自己ベストに挑戦した3回目は「少し油断がありました」と失敗に終わったが、トータル291キロも自身の記録を塗り替える大会新。ケタ違いの力を見せつ
けた。
同門対決で互いが意地をぶつけ合った。同じ関大で2年先輩の武市が、本来の69キロ級ではなく77キロ級で出場してきた。武市は日本代表として5
月16日までアジア選手権(カザフスタン)に出場しており、10日前に帰国したばかり。帰国初戦は体に負担をかけないように、あえて減量をしなかったため
だ。77キロ級の白草が負けられないと思うのは当然。そんな後輩の闘志に先輩も燃えた。
白草がジャークで159キロを挙げる直前の試技で、武市も大会タイ記録の157キロをマーク。「試合で157キロを出したのは初めて」と、トータ
ル287キロでの2位に笑顔。白草とは「羽曳野ウエイトリフティングクラブ」で腕を磨いてきた幼なじみ。そろって競技歴10年目を迎えた今年は、飛躍の年
になるはずだ。
武市は4月の全日本学生選抜で連覇を達成。白草も3月の全日本ジュニアを勝ち、6月12日に開幕するジュニア世界選手権(ルーマニア)に出場す
る。7月の全日本選手権を勝てば、ともに11月の世界選手権(韓国)の代表に選ばれる可能性がある。その先に見えるのはロンドン五輪。「ひとつひとつを積
み重ねて近づきたい」と武市。白草も「五輪はもちろん意識します」。関大の両雄がロンドン五輪の星になる日は近い。
◆白草竜太(しらくさ・りゅうた)1990年3月22日、大阪府和泉市生まれ。19歳。大産大付高では2、3年のインターハイ69キロ級で連覇。主な学生タイトルは全日本学生選抜2位。168センチ、77キロ。
◆武市樹(たけいち・いつき)1987年10月12日、大阪府堺市生まれ。21歳。大産大付高では62キロ級で全国選抜大会3位。昨年10月の世界学生選手権(ギリシャ)では9位。11月の世界選手権の代表候補。168センチ、69キロ。
◆成績
▽56キロ級 丹下雄介(大商大)180キロ(スナッチ80、ジャーク100)
▽62キロ級 山本健晴(大商大)240キロ(スナッチ110、ジャーク130)
▽69キロ級 森松孝徳(大商大)237キロ(スナッチ110、ジャーク127)
▽77キロ級 白草竜太(関大)291キロ=大会新(スナッチ132=大会新、ジャーク159=大会新)
▽85キロ級 秋原悠(関大)258キロ(スナッチ112、ジャーク146)
▽94キロ級 松原寛佳(大商大)268キロ(スナッチ118、ジャーク150)
▽105キロ級 木下勝矢(京産大)260キロ(スナッチ110、ジャーク150)
▽105キロ超級 清水友貴(近大)279キロ(スナッチ125、ジャーク154)=1位記録
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